豆蔵デジタルホールディングス
2024年6月 東証グロース市場 IPO
会社URL:https://www.mamezo-dhd.com/
成長力 A : 再定義された事業ビジョンは秀逸!
- 上場企業がMBOで上場廃止し、事業を再編し戦略再構築して再上場。当社いわく、総合ITソリューション企業からデジタルシフトサービスカンパニーに変身したようだ。
- もともと東証1部にいたこともあり、事業基盤や組織は出来上がった優良企業だね。
- 顧客の大半が東証プライム上場企業で、顧客の高度なデジタルシフトを支援するという当社事業戦略は考え抜かれている。AIほかIT技術レベル、直接営業体制、人材育成や社内体制にも文句なし。アルが取り扱うIPO出たての企業とは一線を画している。初めてIPO成長性評価Aランクをつけたよ。
- MBOを主導した投資会社ファンドの出口のために再上場した色合いが強い。ただ、アルから見ると、なんでこんなに時価総額が低いのか不思議だな。
アルが評価する成長可能性
会社の概況
【有価証券届出書による事業内容】
(前略)当社グループは、当社および連結子会社3社(株式会社豆蔵、株式会社コーワメックス、株式会社エヌティ・ソリューションズ)の計4社で構成されており、情報サービス関連事業を主たる業務としております。(中略)
情報サービス関連事業は、クラウドコンサルティング、AIコンサルティング、AIロボティクス・エンジニアリング及びモビリティ・オートメーションの4つのサービスに大別されます。ソフトウェア工学、データサイエンス・AI技術及びロボット工学を基盤として、情報化戦略の策定支援、情報化業務の改革支援、システムの受託開発といった業
務をはじめ、情報化業務に従事する技術者への教育研修を行う業務、さらには、産業用ロボットの開発支援を主たる業務としております。
近年、顧客企業がIT投資の主導権を手にして、デジタルシフトを実現していくことが求められています。当社グループは、AIソフトウェア工学、データサイエンス・AIとロボット工学を軸とした技術力と、各分野のトップクラスの人材の持つ知識や経験、スキルを結集して、企業の持続的なデジタル革新を支え、お客様のソフトウェアファース
トをサポートします。また、企業の「人、技術、プロセス」のデジタルシフトを実現し、顧客と共に”デジタル競争力”をつくりだすデジタルシフト・サービスを提供しております。
当社グループは顧客がデジタルシフトを実現する上で必要な様々なソリューションを有しており、クラウド関連の教育、既存システムのクラウド化、内製化推進による新規サービス構築といった付加価値の高いビジネスを展開しております。また生成AIを活用した新規ビジネス創出にも注力しております。その結果として当社は金融、通信、製
造、商社等多様な業界の大手優良企業を顧客として抱え、プライム上場企業(含む関連会社)からの売上高比率80%超、平均取引年数約8年と強固な顧客基盤を確立しております。情報サービス関連事業は、クラウドコンサルティング、AIコンサルティング、AIロボティクス・エンジニアリング及びモビリティ・オートメーションの4つのサービスに大別されます。ソフトウェア工学、データサイエンス・AI技術及びロボット工学を基盤として、情報化戦略の策定支援、情報化業務の改革支援、システムの受託開発といった業務をはじめ、情報化業務に従事する技術者への教育研修を行う業務、さらには、産業用ロボットの開発支援を主たる業務としております。
近年、顧客企業がIT投資の主導権を手にして、デジタルシフトを実現していくことが求められています。当社グループは、AIソフトウェア工学、データサイエンス・AIとロボット工学を軸とした技術力と、各分野のトップクラスの人材の持つ知識や経験、スキルを結集して、企業の持続的なデジタル革新を支え、お客様のソフトウェアファース
トをサポートします。また、企業の「人、技術、プロセス」のデジタルシフトを実現し、顧客と共に”デジタル競争力”をつくりだすデジタルシフト・サービスを提供しております。当社グループは顧客がデジタルシフトを実現する上で必要な様々なソリューションを有しており、クラウド関連の教育、既存システムのクラウド化、内製化推進による新規サービス構築といった付加価値の高いビジネスを展開しております。また生成AIを活用した新規ビジネス創出にも注力しております。その結果として当社は金融、通信、製造、商社等多様な業界の大手優良企業を顧客として抱え、プライム上場企業(含む関連会社)からの売上高比率80%超、平均取引年数約8年と強固な顧客基盤を確立しております。(以下略)【財務状況】
引用:株式会社豆蔵デジタルホールディングス(E39691) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100THGQ.pdf
決算期 | 2022/3 | 2023/3 | 2024/3 |
売上高 | 8,175 | 8,859 | 9,586 |
経常利益 | 674 | 1,589 | 1,820 |
純資産 | 2,403 | 3,390 | 2,262 |
総資産 | 3,423 | 4,614 | 3,543 |
従業員数 | 764 | 776 | 787 |
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 「SIer/DXコンサルを超越するデジタルシフト・サービスカンパニー」という事業レベル
評価+5点
- 「顧客の高度なデジタルシフトを支援する」という当社のビジョンは考え抜かれており、AIほかIT技術レベルと実績、営業体制などから判断すると、今後も相当な成長が見込まれる。
- 事業内容成長性において、アルが取り扱うIPOしたての企業とは一線を画している。(このサイトは時価総額を語る場所ではないけれど、)MBO時点の時価総額は344億円という日経新聞記事が正しいなら、このレベルの事業内容で再上場して、こんなに時価総額が低いのは不可解である。アルはあんまりIPO投資しないが、この銘柄は買いだと思われる!!
2 もともと東証1部上場企業だったので、組織人材顧客など成長基盤が揃う
評価+2点
- 当社は東証1部上場企業であったが、2020年に投資会社インテグラル(2023年9月IPO)主導のMBOで上場廃止した。前は組込系SIや業務系SIのグループ10社だったけど、グループ再編を行い、AIを表面に出して、「総合ITソリューション企業から顧客のデジタルシフトを支援する企業」に自社を再定義した。
- 当社顧客の大半は東証プライム企業で、当社事業は顧客の需要が高い。当社には、受注を支える人材と組織の厚みもある。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 ファンド傘下から独り立ちできるか
評価▲1点
- 現在の当社株式の大半を保有するインテグラル子会社で、その経営はもちろんインテグラルのファンドである。IPOした当社の役員にもインテグラル社員が入り、当社の経営の一部を担っている。
- ファンドはIPO直前に余剰現預金23億円を配当金で抜いて、MBO借入金の一部を返済したようだけど、足元時価総額では満足な投資回収レベルに至らないと思われる。
- 当社創業者の荻原氏は大株主代表取締役として残っているけど、ファンド傘下企業というところには不安が残る。