ククレブ・アドバイザーズ
アル
(最終評価日:2024年12月31日)
2024年11月 東証グロース市場 IPO
会社URL:https://ccreb.jp/
Contents
とりあえず総評
成長力 D : M&A仲介業者に似てるので、一定規模までは成長する!
- 企業が事業継続のために保有・賃貸借している不動産へのソリューション提供や、企業不動産情報システムの販売運営を行うククレブ・アドバイザーズが上場した。
- 従業員12名で売上利益ともに順調に増加している。AI活用を前面に押し出してるね。
- 当社は、中堅以下の企業が所有する不動産をターゲットに提案営業を行う、不動仲介業だね。企業不動産は金額が大きいし、仲介に付随する手数料があるので、案件数が少なくても少人数なら利益は大きい。この会社はマッチングシステムもやっていて、M&A仲介会社の不動産仲介版に見える。
- 成長の方向性が、不動産仲介なのか不動産管理なのか曖昧な状態だけど、宮寺社長の手腕により利益額ベースで数倍程度までは成長しそうだ。
アルの視点からはどんな会社なの?
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 不動産仲介業者として強力な提案営業部隊
評価+1点
- ククレブ・アドバイザーズは、企業が事業継続のために保有、賃借している不動産を対象に、ソリューション提案を行っている。具体的には、大手不動産会社との競合を避けた中堅中小企業物件を対象として、「こんな物件あります」「買手を見つけるので売りましょう」「集約して効率化しませんか」などの、不動産取引に絡む提案を行っている。企業不動産の取引は金額が大きく、派生手数料も見込めるから、少数の案件でも大きな利益を獲得できる。
- 企業側も、自社ニーズに合致した具体的な提案営業にはしっかり対応してくれる。ククレブ・アドバイザーズの宮寺社長は職歴により、企業不動産(CRE)の売買や活用への提案営業に長けているため、当社は少人数ながら、CRE営業のノウハウが確立されていると思われる。
2 AIというよりはデータ分析システムだが、業界では有用である
評価+1点
- 当社は独自のAIエンジンと言っているが、単に有価証券報告書や上場企業中期経営計画書、非上場企業決算などの開示されたデータを自動分析してニーズ把握したり、発生ニーズを予測する程度のデータベース主体のシステムのようだ。
- まあ、中堅企業以下の保有不動産に対するニーズ把握として、網羅的なデータ収集と分析を行っている事業者は少数なので、十分な商機があるのだろう。データ分析結果を自社で活用するほか、マッチングシステム運営やシステム販売もしており、売上高の2割程度を稼げている。収益事業化されており、評価できる。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 自社物件を抱えないと成長できず、抱えると成長限界あり
評価▲1点
- AI活用やテックなどを標榜しているが、単純な不動産仲介会社として事業評価すべき企業だと判断する。不動産仲介会社は自社仕入や自社保有の不動産があるケースが多い。自社で仕入販売する物件が多ければ単年度売上が増加し、自社保有の賃貸物件が増えれば継続売上が増加する。売上高が事業の継続的収益性を反映していない場合が多いが、総資産増加率が高い場合は注意が必要である。
- 上記の観点で当社を観察すると、成長方向性は曖昧に感じられる。保有物件や賃貸物件を、特別目的会社なども関与させて増やしているように思えてなならない。不動産を自社および特別目的会社のバランスシートに抱え込むなら、規模と売上の成長はできるが、不動産管理会社の色が強くなり、成長企業としての時価総額的な魅力が薄れていくだろう。
どんな会社だと公表されているの?
会社の概況
【有価証券届出書による事業内容】
(前略)当社グループは、「全ての企業不動産へのソリューションを通じて、日本の経済・産業に貢献する。」を企業理念 に掲げ、AIを中心とした不動産テックシステムを活用した企業不動産(CRE)(注)1.へのソリューション提供及び不動産テックシステムの開発・販売を行っております。 CREの中でも大手の不動産プレイヤーが金額規模などの問題で取り扱わないコンパクトサイズの物件を商材としてフォーカスし、不動産テックを活用しながら企業間の不動産ニーズのマッチングやソリューション提供を行っております。これらを通じて、今あるストック(不動産)を大切に再生する、という想いを「Compact CRE for Re Born」として、その頭文字を取った「CCReB(ククレブ)」が当社の社名の由来となっております。(以下略)
【財務状況】
引用:ククレブ・アドバイザーズ株式会社(E40130) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100UKU3.pdf
決算期 | 2022/8 | 2023/8 | 2024/8 |
売上高 | 522 | 704 | 1,267 |
経常利益 | 139 | 235 | 416 |
純資産 | 568 | 680 | 973 |
総資産 | 674 | 821 | 1,512 |
従業員数 | 4 | 9 | 12 |
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