アル
2024年4月 東証スタンダード市場 IPO
会社URL:https://www.as-partners.co.jp/
成長力 C : だんだん成長する
- 首都圏集中で介護付きホーム27ヵ所、デイサービス16ヵ所、ショートステイ4ヵ所を展開する介護事業者だよ。
- 経営陣の手腕が認められ、大型介護施設の新設をしていくという成長戦略は明確で、企業として高く評価できる。課題は、借入金が多すぎて資金繰りは良くないことと、介護業界特有の従業員確保難が目に付くね。
- 社長のリーダーシップのもとで既に20年間の事業実績あり。中期保有すれば育つ銘柄だと思うよ。
事業状況の評価 | 懸念事象の減点 | 成長力評価 |
+4点 | ▲2点 | 2点 (Cランク) |
評価はA~Eの4段階(株価考慮せず)
【事業の内容】
(前略)当社の事業セグメントは、シニア事業(第19期売上構成比84.5%)と不動産事業(第19期売上構成比15.5%)で形成されております。
シニア事業は、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)の運営を主たる事業とし、さらにデイサービス(通所介護)事業及びショートステイ(短期入所生活介護)事業を展開しております。介護付きホームでは、当社とベンダーで共同開発したIoT/ICTプラットフォーム「EGAO link」による業務効率化や顧客満足度向上を強みにしております。
また、不動産事業は、介護現場で培った運営ノウハウや長年の不動産ビジネスで蓄積した専門的知識や人脈をフル活用し、介護付きホーム等の土地建物を自社開発するシニア開発事業と、老朽化した集合住宅等の不動産の再生を行うソリューション事業を主たる事業としております。さらに、賃貸マンションや事務所等の賃貸を行う収益不動産事業を展開しております。(以下略)
引用:株式会社アズパートナーズ(E39448) 有価証券届出書(新規公開時)https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100SZB7.pdf
アルの視点
1 経営陣 評価+2点
- リクルートコスモス出身の植村健志氏が、マンション分譲等を手掛けるタカラレーベンの常務取締役のときに設立した社内ベンチャーが起源。
- 植村社長はエネルギッシュでリーダーシップがありそうな印象で、目論見書の戦略を見る限り経営手腕も認められる。
- 役員の女性比率33%で、女性役員3名全員が戸籍上の姓を名乗っていない。女性役員比率および夫婦別姓への先進的な取り組みがある。
2 成長戦略 評価+2点
- 介護事業の課題は入居者と従業員の確保。当社は人口が密集する国道16号線の内側を中心に、交通利便でスタッフと家族に配慮した拠点展開。入居者も従業員も集められる。
- 介護施設運営は大型化により利益率が向上する。当社はEGAO linkやデータに基づく介護により、大型ホームの運営が可能。成長戦略の主軸は、大型介護付きホームを首都圏で作ること。
- 2023年12月の総居室数1,855室を、今後2年間で7施設684室(+37%)増やすわけだから、売上増加していく可能性は高い。
アルの視点
1 資金調達力 評価▲1点
- 足元現預金52億円で有利子負債60億円とバランスはとれるが、46億円(現預金のほとんど)は入居者からの前受金で使うわけにはいかない。実態資金繰りは楽ではないと思う。
- 営業CFおよび投資CFともにマイナスで、有利子負債月商比率4.2か月。金融機関が社長の連帯保証を継続するところを見ると、企業体力に比べて借り過ぎかもしれない。
- 今後の介護施設取得には1拠点20億円前後の投資が必要で、増資よりは借り入れに頼るしかない。これからの成長には、資金調が必須となりそうだ。
2 従業員確保 評価▲1点
- 近年の売上増加速度がそれほどでもないのに、従業員の平均勤続年数が3.9年と発表されている。介護業界ならではの課題は大きい。
- 大型施設を増やしていく戦略なので、従業員を確保し定着を図れるかどうかもが、成長課題かもしれない。
そうだね。当社の成長戦略はよくできていて、実現可能性もあると思うよ。
植村社長の経営手腕も確認できる。
植村社長は自身の資産管理会社である株式会社ブレスと合算で株式の過半数を持つから、思い切った経営判断ができるところも魅力を感じるな。
ABOUT ME
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています
職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか