アル
(最終評価日:2025年8月12日)
2024年12月 東証グロース市場 IPO
会社URL:https://synspective.com/jp/
とりあえず総評成長力D : とても魅力はあるが、大きな事業成長は期待できない!
納得点数 | 懸念点数 | 成長可能性 総合評価 |
+2点 | ▲2点 | 0点 (ランクD) |
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
- 小型SAR衛星で地表観測を行う、シンスペクティブが上場した。
- SAR衛星の小型化は政府主導プログラムの成果によるもので、当社は国の実証プロジェクトを受注して売上を立てている。宇宙&国策&安全保障分野ということで、夢があるよね。
- 政府関与で立ち上がった経緯もあり、衛星観測技術は間違いないと思う。
- 問題は、超ニッチ技術で市場がほとんどなく、事業化できても各国政府向けデータ提供が主となるため、大きな事業成長が期待できないことかな。
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アルの視点からはどんな会社なの?
成長性を評価してみたo
成長性への納得(プラス点数)
1 政府関与で立ち上がり、衛星観測技術は問題なさそう
評価1点
- SAR衛星とは、電磁波を地表に向けて照射し反射電磁波を受信解析することで、地表や建造物の定点変化をデータ化する目的の観測衛星のこと。雲があっても夜間でも、照射受信に影響はない。
- シンスペクティブ社は政府主導プログラムの成果を応用し、独自の小型SAR衛星を開発製造運用する。強みは「従来のSAR衛星に比べて約1/20のコストで製造打上げが可能なため、多数衛星で高頻度観測が可能」というもの。小型SAR衛星の開発は政府関与で、事業化後は国の実証プロジェクトを受注して売上を立てていることから、衛星観測技術は間違いないのだろう。
2 安全保障分野だから、その内なんとかなるかもしれない
評価1点
- SAR衛星観測は安全保障分野である。政府は「商業目的ですよ」として国策で実証プロジェクトを組み委託金を交付して、投資家からカネを集めさせて、国家防衛力を高める試みをしているという外観である。衛星観測の安全保障上の重要性からして、政府の後ろ盾で当社事業の存続はなんとかなりそうだ。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 ニッチで市場もほとんど無く、事業成長は相当に困難な見込み
評価▲1点
- 既存SAR衛星を商業化できている企業は世界に数社しかなく、小型SAR衛星は市場の立ち上げ期という状態。非常にニッチな技術で市場もこれからなので、投資家に人気の宇宙ビジネスでなければ事業化なんて誰もしないであろう。
- 事業化できても、各国政府へのデータ販売が売上の大半になり、売上高成長性は期待できない。
2 長期的に民間需要が拡大してくるまでは黒字化が難しい
評価▲1点
- 当社は、「10機前後の運用機数下で黒字化が想定され、その後機数増に伴い海外政府へのデータ販売が拡大する計画」としているが、国の実証プロジェクト受託で売上を立てている中で、とても黒字化できるとは思えない。
- いつか収支トントンになると思うが、長期的に民間需要が拡大してくるまでは黒字化が難しいと思われる。
【有価証券届出書による事業内容】
当社はSAR衛星の開発・製造・運用を行い、得られたSAR衛星データを用いたデータビジネスを進めています。
【財務内容】 単位:百万円
決算期 | 2022/12 | 2023/12 | 2024/12 |
売上高 | 492 | 1,386 | 2,317 |
経常利益 | ▲4,341 | ▲1,951 | ▲3,595 |
純資産 | 8,092 | 7,871 | 19,873 |
総資産 | 9,893 | 11,315 | 28,195 |
従業員数 | 176 | 163 | 192 |
ABOUT ME
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています
職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか