2024年12月

キオクシアホールディングス

アル

(最終評価日:2025年8月10日)

2024年12月 東証プライム市場 IPO

会社URL:https://www.kioxia-holdings.com/ja-jp/top.html

by google
とりあえず総評

成長力B : 売上急成長は難しいが、時価総額ベースでは数倍になりそう!

納得点数懸念点数成長可能性
総合評価
+5点▲2点3点 
(ランクB)
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
  • フラッシュメモリで世界3位のキオクシアホールディングスが上場した。製造合弁するWestern Digitalと合算で、実質世界シェア1位だ。
  • フラッシュメモリは、スマホ、パソコン、サーバーなどの基幹部品であり、AI向け需要を含めて安定的な市場成長が見込める製品だね。
サピくん
サピくん
  • 当社の前身は東芝のメモリー事業で、売上1.2兆円、営業利益0.5兆円の超優良部門だった。東芝が米国原発企業のM&A失敗で債務超過になりかけた2019年に、泣く泣く当事業を会社分割してファンドに売却し、売却益で損を埋めた経緯がある。
  • ファンドは時価総額2兆円ベースで当社を買収し、上場後も当社株式の過半を保有しているが、足元株価1.3兆円なのでファンド内では減損銘柄になってる。今後どうするのかな。
アル
アル

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サピくん
サピくん
アルの視点からはどんな会社なの?

成長性を評価してみた

成長性への納得(プラス点数)

1 メモリー専業として技術基盤と世界的シェアがある

  評価3点

  • フラッシュメモリは、大容量のデータ保存を可能にする記憶用デバイスのこと。スマホで写真動画などを保存するために使われ、各種電子機器やデータセンター等においても基幹部品である。東芝が1987年に開発して世界標準となった、日本を代表する半導体製品だ。
  • フラッシュメモリは更なる高性能化が進んでおり、AI需要を取り込みながら中長期的な市場成長が確実視されている製品分野である。キオクシアホールディングスはフラッシュメモリ市場において、単独で世界3位、製造合弁するWestern Digitalと合算すると世界シェア1位である。経営に失敗さえなければ、事業成長していくだろう。

 ファンド代表で当社を実質経営するベインキャピタルの手腕に期待

  評価2点

  • キオクシアホールディングスの常勤取締役は4名いる。早坂社長は東芝の元常務で、東芝から当社を任された人物。取締役会長のステイシースミスは米国半導体メーカーであるインテルの現会長、杉本取締役と末泡取締役はベインキャピタルからの派遣だ。すごい顔ぶれで、安心感がある。
  • ベインキャピタルのファンドは、韓国SKハイニックスや米国Appleなどが出資しており、時価総額2兆円ベースで当社を買収している。上場後も当社株式の過半をファンドが保有しているが、足元株価1.3兆円なのでファンド内に50%基準があるなら減損スレスレとなっている。市場と技術が有望で6年間も投資したのだから、本来は時価総額4兆円以上にすべきところだ。でも、必ず投資原価ベース(時価総額2兆円)以上にするのがベインキャピタルなので、きっと大丈夫だろう!

成長性への懸念(マイナス点数)

1 当社純資産のほぼ全額が、実態不安定で形式的なもの

  評価▲1点

  • フラッシュメモリ市場には循環的かつ短期的変動がある。これは半導体業界全体のことなのだが、特にフラッシュメモリの需要変動は市況が短期かつ大幅に変動して読みにくい。需要変動に対して生産調整に入ると、この業界はすぐに赤字になるところが多い。
  • キオクシアホールディングスの純資産は7,375億円である。一方で資産内訳には、のれん3,952億円と繰延税金資産3,191の合計7,000億円を超える実態不安定な資産を計上している。日本の会計基準では数期大赤字になれば、この実態不安定な資産を減損し取り崩す必要があるので、その場合には直ぐ債務超過に陥る。「ファンドが買収して上場させた銘柄あるある」の実態財務状況である。

2 現在シェアと競合他社の顔ぶれから、急成長は見込めない

  評価▲1点

  • 調査会社の予測によると、今後のフラッシュメモリ市場の年間平均成長率は4~5%程度だという。つまり10年後には、現在の1.5倍程度の市場規模だということ。
  • キオクシアホールディングスは、製造合弁するWestern Digitalとの合算で世界シェアは3割もある。競合はサムソン電子、SKハイニックス、マイクロンなどで、現在のシェアや競合の顔ぶれから判断すると、売上規模における急成長は難しい。
どんな会社だと公表されているの?

会社の概況

【有価証券届出書による事業内容】

当社グループは、メモリ及び関連 製品の製造、販売、研究開発、その他サービスを行っています。当社グループは、メモリ及び関連製品の製造、販 売、研究開発、その他サービスを行う、世界最大級(注)のフラッシュメモリ専業プレイヤーです。

【財務内容】 単位:百万円

決算期2023/32024/32025/3
売上高1,282,1011,076,5841,706,460
営業利益▲99▲253452
純資産658,068449,635737,565
総資産2,974,4702,864,9412,919,679
従業員数15,23115,24915,042
ABOUT ME
アル
アル
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています

職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか
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