アル
(最終評価日:2025年8月5日)
2024年12月 東証グロース市場 IPO
会社URL:https://eucalia.jp/
とりあえず総評成長力 B : 赤字病院の経営コンサルは、金融と商流関与で高収益な社会課題解決ビジネス!
納得点数 | 懸念点数 | 成長可能性 総合評価 |
+5点 | ▲2点 | 3点 (ランクB) |
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
- 当社は、病院向けの経営支援コンサルがメインだ。副業的に、高齢者向け施設の運営と入居紹介、コンタクトレンズの製造販売等の多様な周辺事業を営んでいる。設立から20年間で、多数の企業をM&Aして成長してきているよ。
- 事業の主力は、流行りの「経営不振の病院にくっついて、経営再建を手伝いながら、金融と商流関与で稼ぐぞ」モデルだね。競合は多いが、当社自体の経営は上手くいってるようだ。
- 組織化された医療機関の大半が構造的な赤字に苦しむ中、これを支援するのは社会的課題に沿っている。頑張ってほしい。
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アルの視点からはどんな会社なの?
成長性を評価してみたo
成長性への納得(プラス点数)
1 病院経営の最適化コンサルは今後も需要が見込める
評価+2点
- ユカリアがIR資料で強調する通り、2024年厚労省統計では国内病院の74.9%が赤字経営となっている。収入面では医療報酬の低さや病床稼働率低下、支出面では人件費採用費の増加や高額設備投資など、数えきれないほどの経営課題があり、民間の製造業やサービス業より経営難易度は高い。
- ユカリアのような医療経営に特化したコンサルの関与を受けないと、黒字転換が難しい病院は多くある。主力事業のマーケットは有望である。
2 自社の経営資源配分と運営は秀逸である
評価+3点
- 主力の病院経営支援、安定収入の高齢者施設運営と入居者紹介、その他の成長事業への取組を見ると、経営資源の配分に妙味があり、自社経営が上手だ。
- 病院経営支援を行う同業他社の事例として、高額のコンサル人件費をかけながら、融資、リース、ファクタリングなど金融事業や設備調達関与などを広く展開していくと、赤字病院に引きずられて、自社損益まで不安定になる場合がある。それに比して、当社は自社経営において秀逸である。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 成長戦略はM&Aだが、これ以上やって管理人材は足りるのか
評価▲1点
- 既に連結子会社10社、非連結子会社5社、持分法非適用関連会社5社の経営に携わっている。ユカリアの常勤取締役は3名で、コンサル系では少ないほうだ。ユカリアの成長戦略は、これまでもこれからもM&Aだが、グループ各社を管理する人材が足りるのか懸念がある。
- オーナー古川氏はIPO直前に、三沢氏(現社長、東京大学アメフト部監督)に代表権を譲っている。古川氏の手腕でここまで成長してきたので、いわば専門経営者ともいえる三沢社長の実力が今後の業績を左右する。
2 IR資料では、クライアント病院の経営改善度合いが不明
評価▲1点
- 当社は病院向け総合コンサルを行っているが、クライアントの改善実績についてはHPでもIR資料でも開示していない。ここは、ユカリアの実力を知りたい投資家として興味の湧くところだ。いくら関与数が伸び売上が伸びても、当社事業ははクライアント病院の経営状態と深い関連性がある。
- ただし、ユカリアのクライアント向けの融資、リース、保証は合計58億円程度で純資産の1/3程度であるため、全額回収不能になってもユカリアの事業存続自体には懸念がないだろう。
【有価証券届出書による事業内容】
当社グループは医療経営総合支援事業の提供を中心に、入居相談施設紹介、高齢者向け介護施設の運営、コンタクトレンズの製造販売、その他のヘルスケア関連事業に取り組んでおります。
【財務内容】 単位:百万円
決算期 | 2022/12 | 2023/12 | 2024/12
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売上高 | 16,616 | 18,055 | 19,834 |
経常利益 | 784 | 1,853 | 2,802 |
純資産 | 10,407 | 11,765 | 18,951 |
総資産 | 42,631 | 50,985 | 60,148 |
従業員数 | 699 | 769 | 833 |
ABOUT ME
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています
職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか