グロービング

1　コンサルティングファームとしての競争力は強い

　　評価＋2点

• コンサルティングファームという、かっこいい名前の業態がある。最近はDXの時流に乗って、IT系のファームが大儲けしている。IPOしたグロービングは、AIやDXもやり始めているが、本業はコテコテの総合系コンサルである。
• 世界最大のコンサルティングファームであるアクセンチュアから独立した経営陣が、グロービングを経営している。クライアント企業の顔ぶれを見ると、コンサル品質は高い様子だ。当社は、コンサル報酬、伴走機能、人材の質などにおいて他社との差別化が明確で、競争力は高いと判断される。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

2　高額報酬や組織内配慮により、成長に必要な人材が集まる

　　評価＋1点

• 創業から実質3年間で、１００名以上のコンサルタントをリクルーティングしている。多くのコンサルティングファームから当社へ、優秀な人材が流れ込んでいる状態だ。当社２０２４年５月期においては、給料手当７３０百万円に対して採用関連費用５８２百万円をかけてコンサルタントを募集し、コンサルタントの平均年収は２０百万円を超えている。
• 当社は人員の９割がコンサルタントで、大手コンサルファームのような高額役員経費や収益の海外上納が無いので、コンサルタントに配分できる収益が大きい。更に、コンサルタントの個人事業主化や社内チーム間の縄張り争いが起きないような、営業方法の仕組みづくりをしている。当社は、コンサルタント数を直前期１６４名から４００名程度に増やす計画があるようだが、それを実現できる企業の魅力が当社にはある。

1　急ピッチの人材増で成長しているが、倍々に伸びていくような業種ではない

　　評価▲1点

• 当社は、足元１～２年で高報酬のコンサル従業員を急増させている。IPO時の従業員数が２００名超のコンサル会社で、平均勤続年数１．１年というのは違和感がある。経営陣含め優秀なコンサルが多いので、急成長課題に対処できているのだろうが、過ぎたるは及ばざるが如しという範疇に思えてしまう。
• 総合系コンサルで伴走型関与も行っているため、コンサル従業員数増加が安定基調に入れば、業績伸長率も鈍化すると思われる。「コンサル従業員数４００名で売上高２００～３００億円の国内コンサル中堅」というポジションが、当面の成長上限かもしれない。輪島社長曰く「いまやコンサルティングサービス自体がオールドエコノミー化している部分が出てきています。」という壁があるのは、アルも同感である。