アル
(最終評価日:2024年10月14日)
2024年10月 東証プライム市場 IPO
会社URL:https://www.tokyometro.jp/index.html
とりあえず総評成長力 D : 成長余力はあるが成長には超長期の期間が必要!
納得点数 | 懸念点数 | 成長可能性 総合評価 |
+3点 | ▲2点 | 1点 (ランクD) |
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
- 東京メトロが上場する。時価総額が大きいのと株主優待で話題だね。
- 東京メトロの事業特徴は、「首都の地下鉄で、運輸業の比率が高い」ということかな。
- そういう特徴だね。運輸業は延線でしか成長できないから、本業以外のビジネスを軸に成長していくということになる。
- 本業以外のビジネスは不動産や流通などだけど、本業以外は組織や人材など不足していそうだ。上場後も国と都が議決権の半数以上を保持するので、本業以外の大型投資がやりにくと思われるな。良い会社だけど、成長には超長期が必要だと思うよ。
アルが評価する成長可能性
【有価証券届出書による事業内容】
(前略)東京を走らせる力
私たち東京メトログループは、 鉄道事業を中心とした事業展開を図ることで、首都東京の都市機能を支え、 都市としての魅力と活力を引き出すとともに、 優れた技術力と創造力により、安全・安心で快適なより良いサービスを提供し、 東京に集う人々の活き活きとした毎日に貢献します。(以下略)
【財務状況】
引用:東京地下鉄株式会社(E04153) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100UEJX.pdf
決算期 | 2023/3 | 2024/3 | 2024/6 (3ヶ月)
|
売上高 | 345,370 | 389,267 | 101,950 |
経常利益 | 19,694 | 65,866 | 26,290 |
純資産 | 633,344 | 664,887 | 664,360 |
総資産 | 2,002,821 | 2,022,524 | 1,998,472 |
従業員数 | 11,571 | 11,390 | 11,598 |
(単位:百万円)
アルの視点からはどんな会社なの?
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 運輸業以外に成長余力
評価+2点
- 本業である運輸業の売上高比率は、東京メトロが91%であるのに対し、JR東日本が68%で、他社はそれ以下である。東京メトロの事業特徴を一言で言うなら、「首都の地下鉄で、運輸業の比率が高い」ということになる。
- 本業は人口動向や規制に左右され、延線でしか成長できる余地はない。しかし、不動産事業や流通広告事業を伸ばす余地は十分にある。首都圏の小田急鉄道(61%)や京成電鉄(41%)の運輸業比率を勘案すると、10年20年単位の期間は必要だが、売上高が倍増する可能性はある。
2 首都東京には商機多い
評価+1点
- 国内全体が人口減少局面なのに、東京都の人口は2030年までは増え続けるらしい。
- この経済的中心地である東京都において、東京メトロは絶対的な事業基盤がある。地方からヒトを惹きつけ飲み込みながら、当社の事業基盤は超長期にわたり繫栄すると思われる。市場が良いため、当社の衰えなど想像できない。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 運輸業以外は不得手
評価▲1点
- 首都圏に基盤のある同業他社に比して、東京メトロの運輸業売上比率がとびぬけて高いことは、周辺ビジネスを展開する人材や組織風土が不十分だったと考えられる。
- 運輸業以外の部分で事業拡大していくとしても、当社規模なら相当の投資額になるため、組織人材ノウハウの面で相当苦戦するだろう。
1 規模的優位を活かせない
評価▲1点
- 上場後も当面は、議決権の過半数を国と東京都が保有する。本業のCFは多額の設備補助金があるため回っているが、不動産や流通事業で財務リスクのある大規模投資は国や都が認めないだろうから、成長性は低いと言わざるを得ない。
- 連結売上高もJR東日本の1/7、名古屋鉄道の半分程度で、鉄道業では10数位に位置する。首都の地下鉄だから目立つが、鉄道会社として規模的優位を活かす状況にはなりにくだろう。
ABOUT ME
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています
職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか