アル
(最終評価日:2024年10月4日)
2024年10月 東証スタンダード市場 IPO
会社URL:https://www.nissuicon.co.jp/
とりあえず総評成長力 D : 安定業績だが具体的な成長戦略なし!
納得点数 | 懸念点数 | 成長可能性 総合評価 |
+2点 | ▲2点 | 0点 (ランクD) |
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
- 日水コンの前社名は「日本水道コンサルタント」で、国や公共団体など官公庁から上下水道関連の建設コンサルを請け負っている。
- 建設コンサル業界において、水関連ではニッチトップだね。でも受注はほとんど公共工事で、成長性は低そうだ。
- そうだね。野村證券系が証券とファンドで4年間頑張ったけど、具体的な成長戦略が描けず、投資回収のために上場させたみたいな外観になっている。とても残念だ。
- 水関連の公共工事は今後も減らないと思われるから、事業継続は大丈夫だね。上場会社になって、安定株主に配当を出していくという筋書きかな。
アルが評価する成長可能性
【有価証券届出書による事業内容】
(前略)当社グループは、上下水道等のライフライン、河川・砂防等の防災関連等の「社会インフラ」の整備において、主に官公庁などの公的機関から発注を受け、調査・設計等に関わる技術的なコンサルティングを行っております。具体的には、水道部門や下水道部門における調査・計画や設計・工事監理等のほか、河川部門(河川、湖沼、ダム、海域・沿岸の治水、利水、環境保全)、環境部門(上下水道・河川事業の水質・環境関連、環境評価・保全、防災及び廃棄物対策)、建築部門(上下水道事業に係る施設)、機電部門(上下水道事業に係る施設)等の事業部門を抱え業務を行っております。海外案件においても、JICA(独立行政法人国際協力機構)もしくは円借款などを通じて東南アジア、インド、さらにはアフリカなどの各国政府機関などからの受注実績も有しております。 当社グループに所属する水コンサルタントは、建設コンサルタントのうち特に水にフォーカスした企画や調査計画、設計に関する技術コンサルティングサービスを行う人のことであります。業務範囲は施工を除く全般であり、役割は発注者から業務を受注し報告書等を納品しております。(以下略)
【財務状況】
引用:株式会社日水コン(E40019) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100UCGS.pdf
決算期 | 2022/12 | 2023/12 | 2024/6 (6ヶ月)
|
売上高 | 20,771 | 21,884 | 12,855 |
経常利益 | 1,910 | 1,640 | 1,725 |
純資産 | 12,049 | 13,249 | 13,580 |
総資産 | 21,204 | 21,496 | 24,854 |
従業員数 | 688 | 710 | 723 |
(単位:百万円)
アルの視点からはどんな会社なの?
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 水コンサル業界ではニッチトップ
評価+1点
- 建設コンサルタント業界の中で、水関連に特化したニッチトップ企業である。当社のような水コンサルタント会社は、河川、ダム、上下水道などの水関連公共工事において、調査、建設計画策定、詳細設計、工事管理まで請け負っている。その工事は、ゼネコンや地場建設会社が行う。
- 建設コンサルタント業界はどこも若手技術者不足である。当社は水コンサルタント業界で国内首位のため、人材確保が比較的容易で、上場企業という就職希望者への安心感も付加できた。中期的に考えると、人材における確保数と年齢層の差で、当社の優位性は強まるはずなので、徐々には成長していくと考えられる。
2 官公庁受注比率9割超で業績の下振れ懸念は僅少
評価+1点
- ニッチトップというのは、小さな池の鯨になること。当社業界の池は水関連の公共工事で、上下水道老朽化や異常気象の復旧工事で、仕事はずっとある。
- 水関連の公共工事は大きく伸びないだろうが、超長期の将来まで仕事がずっとあるというのは、素晴らしい事業環境だ。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 優良成熟企業で、国内事業での成長は難しい
評価▲1点
- 業績推移をみると、池の鯨になってから、ずっと成長が止まった企業に見える。関連分野のM&A以外には成長できないと判断される。
2 野村證券グループが4年頑張ったけど、具体的な成長戦略は描けなかった
評価▲1点
- 野村キャピタル・パートナーズが2020年に筆頭株主になっている。外観的にはブリッジ(売却希望大株主から買取り、IPOさせて投資回収)だろう。
- 上場主幹事の野村證券は、グループのファンド出資時から4年間頑張っても、具体的な成長戦略が描けなかった。野村證券グループは、「ブリッジ投資を回収するためだけのIPOだったね」と言われるかもしれない。
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新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています
職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか