アル
(最終評価日:2024年9月28日)
2024年10月 東証スタンダード市場 IPO
会社URL:https://www.shimadaya.co.jp/
とりあえず総評成長力 D : 外部環境の良さで緩やかに成長する!
納得点数 | 懸念点数 | 成長可能性 総合評価 |
+4点 | ▲3点 | 1点 (ランクD) |
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
- Wi-Fiルーター「BUFFALO」ブランドのメルコHDから、「流水麺」のシマダヤがスピンアウトする。単に企業グループの上場企業数が1社から2社になるだけで、深い意味はないね。
- メルコHDとシマダヤの創業者が親子だったので、同じ企業グループにいる。ともに消費者には有名な商品ブランドを持つので、今回の件で同じグループなんだと初めて認識したよ。
- 「流水麺」はチルド麺ランキング2位で、光熱費値上げや猛暑影響で今後も有望な商品だね。ちなみに1位は「マルちゃん焼きそば(東洋水産)」だよ。
- 上場企業たる業績はあるんだけど、成長戦略が不透明なんだ。外部環境はいいので、緩やかに成長していくと思うよ。
アルが評価する成長可能性
【有価証券届出書による事業内容】
(前略)当社グループは、当社(シマダヤ㈱)並びに、連結子会社(シマダヤ関東㈱、シマダヤ東北㈱、シマダヤ西日本㈱及 びシマダヤ商事㈱)の計5社で構成されており、麺類の製造及び販売を主たる業務としております。(以下略)
【財務状況】
引用:シマダヤ株式会社(E00467) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100UA1X.pdf
決算期 | 2023/3 | 2024/3 | 2024/6 (3ヶ月)
|
売上高 | 34,115 | 38,974 | 10,352 |
経常利益 | 2,378 | 3,475 | 1,183 |
純資産 | 19,551 | 15,838 | 15,823 |
総資産 | 29,777 | 23,889 | 21,481 |
従業員数 | 823 | 846 | 861 |
(単位:百万円)
アルの視点からはどんな会社なの?
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 流水麺ブランドは強固で外部環境は追い風
評価+3点
- 当社売上高の6割は一般家庭向けで、「流水麺」シリーズは「マルちゃん焼きそば(東洋水産)」に次いで、チルド麺国内市場2位のブランド力がある。
- 流水麺は味のこだわりさえなければ、調理時に水、電気ガス、時間を大幅に節約できる。異常気象猛暑で熱を使いたくない、値上がりする電気ガスを節約したい、共働きや育児負担で調理負担を軽減したい、という消費者のニーズは今後も大きくなるだろう。SDGsの方向性にも合致するため、有望な商品と言える。
2 業務用冷凍麵卸売の外部環境も良好
評価+1点
- 製麺業界の特質として、一般消費者向けに商品力があれば収益は出るが、業務用向けにおける収益は薄い。業務用の比率が高い中小企業は、設備更新や賃上げができないため、身売りや廃業が進み、業務用麺の供給能力はどんどん不足していくだろう。
- 当社は業務用冷凍麺の国内シェア1位である。当社部門収益は薄いだろうが、外食産業や給食事業者からの需要に応える形で、業務用冷凍麺売上は拡大するだろう。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 成熟企業で売上は低成長見込み
評価▲2点
- 当社がメルコHDの完全子会社になった2018年3月期の売上高は359億円であった。そこから構造改革で利益率は上昇したものの、ここ7年間での売上成長は低位である。
- 当社の今後の戦略も「コア事業の『深化』と『利益成長』に挑戦し、収益構造を変革する」という方向性で、販売拡大を主軸にできないほど商品ラインが成熟している。今後も売上と利益は緩やかに増加するだろうが、大きな成長は難しいだろう。
2 流水麺以外にヒットが出せていない
評価▲1点
- 当社の外部環境は良好で、商品値上もあり、売上は回復し増加してきたが、なかかなヒット商品が生まれない。
- 同業大手の東洋水産は、低収益の業務用比率を抑え、一般家庭向けの多彩な商品群と国外即席麵販売で売上高5,000億円前後まで成長している。商品開発力の差を感じてしまう。
ABOUT ME
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています
職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか