2024年9月

アスア

アル

(最終評価日:2024年9月22日)

2024年9月 東証グロース市場 名証ネクスト IPO

会社URL:https://www.asua.ne.jp/

とりあえず総評

成長力 D : 急成長はしないが国策テーマであることに期待!

納得点数懸念点数成長可能性
総合評価
+2点▲2点0点 
(ランクD)
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
  • 中小運送業者に対し、ドライバー対面教育と安全活動支援クラウドサービスを請け負っている。
  • 物流業界には2024年問題という大きな課題があり、物流が国策テーマになっている。物流DXは確かに盛り上がるが、ドライバー教育を対面で実施する当社のような企業も必要だよね。

サピくん
サピくん
  • 運送業者向けには、国策で補助金による経営診断や経営改善の支援が出てきている。補助金あるところに企業参入は増えるので、今後は競合環境が激化しそうだ。
  • 参入障壁が低くて急成長も難しいビジネスだけど、物流インフラの維持のために役立つ事業であるため、上場企業として更に発展してほしいな。

アル
アル

アルが評価する成長可能性

どんな会社だと公表されているの?

会社の概況

【有価証券届出書による事業内容】

(前略)当社は、「コンサルティング」×「クラウドサービス」で物流業界を人とデジタルの力で改善する」をミッションとし、物流事業者のドライバーの本音を引出し、安全対策への動機づけを行っております。その現場の声を基にしたコンサルティングノウハウを活用し、物流業界の改善と発展に貢献しております。 事業内容は、物流事業者の安全活動を継続的にサポートするコンサルティング事業、コンサルティング事業で行っている安全活動につながるエコドライブをメッセージングサービスで支援するCRM(注)イノベーション事業、一般企業のビジネスフォンや通信ネットワーク機器の販売・工事・保守を行い、企業のDX化を通信インフラで支援を行う通信ネットワークソリューション事業に取り組んでおります。 (以下略)

【財務状況】

引用:株式会社アスア(E39936) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100U9UC.pdf
決算期2022/62023/62024/3
(9ヶ月)

売上高1,2281,239986
経常利益10811598
純資産403465514
総資産1,2031,1351,141
従業員数829484
(単位:百万円)
アルの視点からはどんな会社なの?

成長性を評価してみた

成長性への納得(プラス点数)

1 中小運送業者の需要が高まるアウトソーシングサービス

  評価+1点

  • 運送業者に対して、TRYESサポート(対面型コンサルティング)で安全活動を最適化し、TRYESレポート(安全活動支援の定額クラウド)で管理を支援することが当社の主力サービスである。
  • 当社は、現場での集団ミーティングと個人別ウェブミーティングを頻繁に実施して、ドライバーの本音を引出し安全対策への動機づけを行っていく。ドライバーの維持管理育成に十分な手を打つことができない中小運送業者にとっては、これからどんどん必要となるアウトソーシングサービスだと考えられる。

2 国策テーマなので補助金誘導により利用顧客は増加見通し

  評価+1点

  • 最近の当社売掛金トップは東京都トラック協会であり、中小物流業者向けの経営活動支援補助制度を経由した売上だと思われる。
  • 物流事業者の99%は車両保有台数100台以下の事業者であり、法規制変更で管理者業務は増加している。業界の2024年問題に対し、政府は関与を強めている。今後も政策補助金をきっかけとして、当社のようなアウトソーシングサービスを利用開始する中小運送業者は増加するだろう。

成長性への懸念(マイナス点数)

1 中小運送業者に密着するサービスのため、売上成長は緩やか

  評価▲1点

  • 当社コンサルタントは、ひとりあたり年間約700回ほどドライバーミーティングを実施して、現場の本音を引き出しているという。非常に大切なことだが、急成長できる事業構造ではないと判断される。
  • 高度な物流コンサルには大手コンサル会社が多く存在する。しかし、運送業のドライバー教育と運行管理アウトソーシングの分野に、目立った大企業がいないというのは、そこまで大きくなれるビジネスではないということなのだろう。

2 参入障壁が低い

  評価▲1点

  • 当社事業は、全分野で競合がある。対面コンサルも運行管理クラウドも参入障壁が低く、国策で補助金がついてくれば、更に競合激化するだろう。
  • 当社が契約数を伸ばしている背景には、サービスが良いのはもちろんであるが、価格面も安いということがある。顧客特性および競合環境から、収益性が低くなりがちである。

ABOUT ME
アル
アル
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています

職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか
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