INGS[イングス]
(最終評価日:2024年9月13日)
2024年9月 東証グロース市場 IPO
会社URL:https://ingsinc.co.jp/
成長力 C : 年商4-5倍程度の成長は期待できる!
- 首都圏で「らぁ麺 はやし田」「CONA」等のチェーンを運営するイングスが上場する。ここのラーメンを食べたことのない方はこちらをどうぞ。
- 新型コロナ明けのリバウンドとインバウンド需要の強い追い風で、外食産業人気店の業績はどこも絶好調だね。
- そうだね。最近は人気ラーメンチェーンを主軸にした上場が多いけど、人気ラーメンブランドは、製造業やサービス業のコアコンピタンスレベルの貴重性があるんだ。大手外食企業が進出したくても、ブランド構築が極めて難しい。
- また、当社はラーメン、ピザ、焼売と、外食で3本の柱がある。外食事業は浮沈が激しいから、リスク分散になる。当社事業領域は非寡占市場なので、カネさえあれば出店で売上は伸びるから、年商200ー300億円位には成長できそうだ。
アルが評価する成長可能性
会社の概況
【有価証券届出書による事業内容】
(前略)当社ラーメン事業では、気持ちのこもった「渾身の一杯(Quality)」、入店から退店までの「期待以上のサー ビス(Service)」、安心安全にラーメンを楽しんでいただくための「清潔で快適な空間(Clean)」を当たり前のように行うことを「当たり前を圧倒的に」というスローガンのもとに、一都三県(東京都・神奈川県・埼玉 県・千葉県)を中心に都市型店舗(注1)を軸とし、郊外型・ロードサイド店舗(注2)及び商業施設内店舗の直営店を展開しております。
当社直営店のラーメンは、個店感を出すために、ブランド食材を使用し店内で炊き上げたスープと、当社オリジナル調合の醤油タレ及び麺を使用しております。また、トッピングの具材、産地、見た目にもこだわっており、調理方法、オペレーションの効率化により、主力ブランドの「らぁ麺 はやし田」においてはラーメン一杯分の調理時間が約1分であり、高回転率を実現しております。 各直営店では、「当日数量限定ラーメン」及び「季節限定ラーメン」を提供し、話題性とリピート率向上を図ると同時に、新ブランド開発や商品力の底上げの基礎にもなっております。
当社直営店の主力ブランドである「らぁ麺 はやし田」店内は、「和」を基調とし、カウンターは白木素材を使用し、寿司店や割烹料理店のような高級感と清潔感を演出し、老若男女どなたでもご来店しやすいシンプルかつ本格ラーメン店と思わせるようなデザインにしております。 当社ラーメン事業では、「限定ラーメン」の提供で培ったレシピやノウハウを活用し、全て自社で開発したブランドが8ブランドあり、「らぁ麺 はやし田」を中心に多ブランド展開をしております。出店エリアの立地特性、競合状況及び同エリアの直営店に対応したブランドで出店することにより、優良テナントを取りこぼすことなく展開することが可能であります。(以下略)
【財務状況】
引用:株式会社INGS(E39928) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100U9O5.pdf
決算期 | 2022/8 | 2023/8 | 2024/4 (9ヶ月) |
売上高 | 3,489 | 5,262 | 4,709 |
経常利益 | 497 | 266 | 317 |
純資産 | 416 | 484 | 700 |
総資産 | 2,705 | 2,893 | 3,184 |
従業員数 | 190 | 212 | 264 |
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 ラーメン繁盛店には価値がある
評価+2点
- ラーメン店には個人店や小規模チェーンが多のは、大手外食チェーンでも、長期安定繁盛の人気ラーメンブランドを作り出すのは難しい。
- 当社の「らぁ麺 はやし田」ブランドは、繁盛店で競争力がある。業種柄、大企業にはならないだろうが、力の源ホールディングス(一風堂)やギフトホールディングス(町田商店)みたいに、年商200-300億円規模までの成長は十分に期待できる。
2 外部環境が良く、出店戦略も理にかなっている
評価+1点
- 訪日客の大半が日本食目的で、ラーメンほか人気外食店はインバウンド需要という強力な追い風により、外部環境が良い。
- また、当社の出店戦略は、ラーメンや焼売など大手のいない非寡占分野を狙い、人口の多い一都三県での直営店出店を軸とするようだ。理にかなっており、資金調達によって更に成長するであろう。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 外食産業は他の業種に比べ最も廃業率が高い
評価▲1点
- 飲食店は他の業種に比べ最も廃業率が高く、開業から3年以内の廃業率は70%、5年で80%、10年では90%以上と言われているようだ。2023年も飲食業倒産は前年比で6‐7割増加し、過去最多となった。
- 食材と光熱費の高騰、従業員確保難と人件費増加など、外食産業には逆風が強まっており、客足が落ちると資金繰りが一気に悪化する。製造業やITに比べ、業績見通しには不安定要素が大きい。