グロースエクスパートナーズ
(最終評価日:2024年9月9日)
2024年9月 東証グロース市場 IPO
会社URL:https://www.gxp-group.co.jp/
成長力 C : 緩やかだが確実に成長する!
- 大企業のDX化を支援している。データ等資産を多く持つ大企業向けに、コンサルから始め、企業が自走型DX組織を作れるように支援を行う。最終的には顧客のDX関連子会社組成と、その共同運営まで伴走しているね。
- 伴走型コンサルだから、コンサルとエンジニアの数に比例した成長ということなのかな。
- そうだね。コア人材数に比例した成長で、この業界は人材確保と育成に時間を要するので、今のペースなら年率2割前後の業績成長かな。
- このビジネスモデルには競合が多いけど、当社は優秀な人材チームを有しているらしく、複数の大手企業と取引実績がある。継続成長が期待できるね。
アルが評価する成長可能性
会社の概況
【有価証券届出書による事業内容】
(前略)当社グループは顧客自ら事業価値を創造し続ける組織(以後、自走型DX組織)へ変革させるDX支援を特徴としております。顧客のDX支援へのアプローチは、新規デジタルサービス開発や既存IT資産のモダナイズ(1)に関するご相談を受け、顧客が蓄積してきたレガシー資産(顧客、ブランド、設備・拠点、サポート体制、人財、既存IT資 産、ビッグデータ、サプライチェーンなど)の強みを活用した新しいサービスやビジネスモデルの企画を支援する DXコンサルティングから開始いたします。顧客自身が事業価値定義やそれに基づく新たなサービスを継続的に創出 するためのプロセスやノウハウを顧客に提供しております。顧客内の一部署や個別サービスでの成功事例を顧客内で拡大しながら、顧客の自走型DX組織の実現まで伴走しております。関係性が深耕した顧客とはDX推進組織(出島型組織)の共同運営、デジタルサービス共同開発などの共創フェーズに発展しております。 主たる顧客であるエンタープライズ顧客数(2)は継続的に増加し17社(23年8月期実績)となっております。
年間取引金額1億円以上の顧客が8社、うち年間取引金額2億円以上の顧客が4社となっております(いずれも23年8月期実績)。顧客維持率(*3)は92.1%(23年8月期実績)とストック性の高い収益構造となっております。既存顧客の関係性深耕により、年間取引金額2億円以上のロイヤルカスタマーを拡大しております。(以下略)
【財務状況】
引用:グロースエクスパートナーズ株式会社(E39961) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100U9GY.pdf
決算期 | 2022/8 | 2023/8 | 2024/4 (9ヶ月) |
売上高 | 3,293 | 3,736 | 3,316 |
経常利益 | 312 | 397 | 488 |
純資産 | 1,155 | 1,455 | 1,813 |
総資産 | 3,029 | 2,955 | 3,623 |
従業員数 | 183 | 199 | 229 |
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 大企業に採用されやすいDX化アプローチ
評価+2点
- 当社グループは、大企業に対するDXコンサルを行っている。顧客が蓄積してきたレガシー資産(顧客、ブランド、設備・拠点、サポート体制、人財、既存IT資産、ビッグデータ、サプライチェーンなど)の強みを活用した新しいサービスやビジネスモデルの企画を支援するDXコンサルティングから開始し、顧客内で成功事例を拡大しながら、顧客の自走型DX組織の実現まで伴走する。関係性が深耕した顧客とは顧客子会社等設立によるDX推進組織の共同運営や出資、共同開発などに発展させていく。
- 大企業の経営企画やシステム部門にとって、これはありがたい。膨大なレガシー資産を整理活用するコンサル支援から開始し、社内に自走型DX組織まで作ってくれるという。最終的にはDX子会社も共同で運営してくれるというのだ。実績を見ながら予算配分していき、最終的には大組織のDX課題ができますよというなら、カネのある大企業の経営企画からすると願ったりかなったりのサービスだ。
- このビジネスモデルには競合が多い。しかし当社は、大企業のニーズを充足する人材チームを揃えているようで、競争力ありと判断される。
2 複数大企業の採用実績があり他社に採用されやすい
評価+1点
- 当社の主要顧客数は17社以上で、年間取引金額1億円以上の顧客が8社、うち年間取引金額2億円以上の大口顧客が4社となっている。
- 企業がこういうDXコンサルを採用する基準として、コンサルの知名度が高いか、他企業が採用して効果が出ていることが条件となる。当社は顧客協力により成功事例をPRできるようで、営業拡大は加速していくだろう。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 コンサルタントとエンジニアの確保育成が成長の足枷となる
評価▲1点
- 当社売上高が2022年8月期に売上高が急増したのは、組織再編と事業再編によるものである。売上高は実態的に成長しているものの、コンサルタントおよびエンジニアの人員数に比例した程度しか成長していない。
- 伴走型コンサルの事業構造上、これはやむを得ないことである。今後の成長スピードも、コンサルおよびエンジニアの増加率にほぼ比例すると思われるが、この業界での人材確保と育成には時間を要する。