Cross Eホールディングス[クロスイーホールディングス]
2024年8月 福証Qボード IPO
会社URL:https://cross-e-hd.co.jp/
成長力 D : テーマパークの大型設備投資で、業績が数倍程度にはなるかも!
- ハウステンボスの施設管理や長崎県内のプラント工事を行う、Cross Eホールディングスが上場する。HISが手元に残した、建設会社だね。
- そういえばハウステンボスは過去に破綻して、オーナーが何度も交代しているけど、今はどうなんだろう。
- テーマパークは、HISがコロナ禍の資金確保のために香港系投資会社に売却されたけど、既にHISが再建済みで、財務優良なテーマパークだよ。
- Cross Eホールディングスは、売上の半分程度をハウステンボスに依存している。ハウステンボスにはUSJを再生したマーケター企業が昨年参画し、長崎県も敷地内のカジノ併設リゾート開発申請を国に出しているから、テーマパークの大型設備投資により当社の業績拡大が期待できる。
アルが評価する成長可能性
会社の概況
【有価証券届出書による事業内容】
(前略)当社グループは、当社、連結子会社(ハウステンボス・技術センター株式会社及び西日本エンジニアリング株式会社)の計3社で構成されており、当社は2022年11月に設立された純粋持株会社であります。 当社グループは、建設及び機械設置工事事業並びにファシリティ・マネジメント事業を主たる事業としております。
(1)建設及び機械設置工事事業
建設及び機械設置工事事業の事業内容は、産業用機械の設置、建物・構造物建設等の各種建設工事であり、「産業用機械の設置工事分野」及び「建物・構造物建設工事分野」に区分されます。「産業用機械の設置工事分野」では、自治体等が所有する廃棄物焼却・資源リサイクル施設等の新設、更新及びメンテナンス工事並びに民間企業の所有する製造工場のプラント機器据付工事、配管工事及びメンテナンス工事を行っております。当該分野の顧客は、自治体及び民間企業を対象にしております。 また、「建物・構造物建設工事分野」では、各種施設の建設、設備の新設、更新工事等を行っております。当該分野の顧客は、ハウステンボス株式会社を始めとした民間企業、自治体及び個人を対象にしております。 当社グループでは、西日本エンジニアリング株式会社及びハウステンボス・技術センター株式会社が当事業を担っております。
(2)ファシリティ・マネジメント事業
ファシリティ・マネジメント事業の事業内容は、各種施設の施設管理であります。ハウステンボス株式会社のテー マパーク施設及び宿泊施設を始め、長崎県、佐世保市等の公共施設、民間施設等の各種施設の指定管理者業務又は施設管理業務を行っております。 当社グループでは、ハウステンボス・技術センター株式会社が当事業を担っております。(以下略)
【財務状況】
引用:Cross Eホールディングス株式会社(E39864) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100U44Y.pdf
決算期 | 2022/9 | 2023/9 | 2024/3 (6ヶ月) |
売上高 | 2,166 | 2,814 | 2,594 |
経常利益 | 283 | 344 | 483 |
純資産 | 1,690 | 1,937 | 2,259 |
総資産 | 2,168 | 2,739 | 3,391 |
従業員数 | 66 | 69 | 71 |
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 ハウステンボス案件で大型受注の可能性あり
評価+1点
- ハウステンボスというと再建中のイメージがあるが、実際は普通のテーマパークと同じレベルで儲かっている。新型コロナ前の決算公告によると、連結売上高300〜400億円で、経常利益60〜80億円で推移する優良テーマパークだ。HISが再建をして、新型コロナによるHIS財務改善のため香港拠点の投資ファンドに妥当な金額で売却しただけだが、何故か再建中のイメージがある。これはテーマパーク資源の有効活用ができていないという評価であろう。
- Cross E社の売上構成は、ハウステンボス5割、JFEプラント2割、その他3割のイメージである。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを再建し、日本を代表するマーケターと言われる盛岡氏の率いるマーケティング企業が、ハウステンボスの本格支援を始めている。長崎県も、ハウステンボス内にIR(カジノ含む統合型リゾート)をつくる計画を国に申請している。CrossE社の将来的な受注見通しは良好である。
2 地場の優良建設業で、今以上の企業価値にはなりそう
評価+1点
- ハウステンボス依存のイメージはあるが、財務内容や受注内容を見るに、長崎県の地場優良建設業者である。大口安定顧客がいて、JFEからプラント設備を受注できるくらいの完工能力があれば、事業継続には問題ない。
- その上で、大口安定顧客には超大型設備投資の複数案件があるため、今以上の企業価値になることは十分に期待できる。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 成長はハウステンボス次第で、限界もある
評価▲1点
- Cross E社が、IPO企業に期待される成長を果たすには、ハウステンボスの大型設備投資の実現が必要になる。他社頼みの成長戦略なので、ここはCross E社の成長性として判断できない。
- また、仮にその大型設備投資が行われて、当面の業績が3倍4倍になったとしても、それ以降の成長を維持する戦略が全く見えてこない。