オプロ
2024年8月 東証グロース市場 IPO
会社URL:https://corp.opro.net/
成長力 C : アプリ会社の限界はあるが、当面は安定成長見込み!
- クラウド型の顧客管理・営業管理サービスSalesforce(セールスフォース)のアプリ市場において、サブスクアプリを提供する会社が上場する。
- 世界シェアNo. 1のSalesforceは、拡張性が高い。スマホに例えると、iPhoneはAppStore、AndoroidはGooglePlayストアからアプリをインストールして使うのと同様に、SalesforceもアプリやAPIを追加して便利に使える。オプロのサブスクアプリは、日本企業に人気があるみたいだね。
- Salesforceは成長を続けている。Apple社と同じようにSalesforceも自社アプリストア経由の収益を重視しているから、今後も市場は拡大していきそうだ。
- アプリストアの一般的な事象として、採用ユーザー数や口コミ数が増えると販売数が加速的に増えていく。オプロのアプリは人気があり、サブスクで継続売上が入るから、オプロの業績は当面安定成長する見通しだよ。
アルが評価する成長可能性
会社の概況
【有価証券届出書による事業内容】
(前略)当社は「業務をつなげる力」で足かせからお客様を解放しDXの可能性を広げるため、ビジネス文書の電子化とデータ連携に取り組んできました。
当社は「未だないピースを発明する」をコンセプトに、データオプティマイズソリューション及びセールスマネジ メントソリューションの提供を通して、幅広い分野で豊富なノウハウ=「つなげる力」を蓄積してきました。その力を活用して情報伝達の在り方を変えれば、分断されていた業務が「つながって」生産性が上がることはもちろん、お 客様のビジネスが様々な可能性と「つながり」、新たな価値やビジネスを生み出していきます。そのような状況をお客様と共に創り上げていくことこそ、当社が考える真のカスタマーサクセスです。 また、DXを推進するうえで、当社が重要と考えているものは「内製化」です。システムインテグレーター等に頼 らず、自社で完結できてこそ、推進が加速されると考えております。当社はローコード、ノーコードで処理を実現で きるサービスを提供し、さらにAI機能を取り入れ、自動で生成される仕組みを実現しております。
当社はクラウドサービス事業の単一セグメントですが、その売上は現在の主力サービスである「クラウド売上」を中心に、「製品売上」、「製品保守売上」、「その他売上」より構成されております。データオプティマイズソ リューション及びセールスマネジメントソリューションの売上については、「クラウド売上」に含まれております。また、「製品売上」とは、クラウドサービス提供開始以前より販売しているオンプレミス製品の売上であり、「製品 保守売上」とは、そのオンプレミス製品に関わる保守売上であります。当社の売上の大半は月次で計上されるクラウ ドサービスのライセンス利用料となるため、安定的に推移いたします。(以下略)
【財務状況】
引用:株式会社オプロ(E39846)株式会社タイミー(E39760) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100U2OY.pdf
決算期 | 2022/11 | 2023/11 | 2024/5 (6ヶ月) |
売上高 | 1,290 | 1,618 | 1,024 |
経常利益 | 132 | 110 | 159 |
純資産 | 61 | 157 | 261 |
総資産 | 845 | 1,097 | 1,553 |
従業員数 | 72 | 88 | 102 |
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 Salesforce AppExchangeにおける実績
評価+2点
- クラウド型の顧客管理・営業管理サービスSalesforce(セールスフォース)は、世界18万社以上、日本でも6000社以上が利用する、業界シェアNo. 1のサービスで、Salesforce AppExchange(アップエクスチェンジ)はSalesforce上で利用できるアプリケーションのこと。iPhoneのAppStore、AndoroidのGooglePlayストアのようなもので、アプリ追加すればいろいろなことに使えるようになる。
- オプト社は、AppExchangeのアプリ開発に注力してきたことが功を奏し、ストアでのサブスク(定額課金)型アプリの販売実績が高い。もちろんアプリの機能も良いのだろうが、iPhoneのAppStoreと同様に、利用者数や口コミが増えると加速度的にサブスク利用者が増えていく。
2 Salesforceのアプリ市場は今後も拡大する見通し
評価+1点
- Salesforce自体が定額課金型サービスだが、足元でも全世界での売上を伸ばし続けている。Salesforce最大の長所は拡張性の高さで、顧客自身が自社の課題や運用に合わせてアプリやAPI接続で機能を追加していけることである。
- オプロのようなアプリ業者が販売したアプリ定額課金売上の一定割合が上納され、Salesforceの売上となる。Salesforceはサブスク売上にも力を入れていることから、オプロの市場であるAppExchangeも拡大が見込まれる。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 アプリ開発会社としての限界
評価▲1点
- オプロは、SalesforceプラットフォームにおけるアプリやAPIに、売上の大半を依存している。Salesforceの日本での販売拡大が停滞すれば、当社の売上成長も鈍化するであろう。
- 新たな収益の柱を求めて、「SAP」や「SmartHR」のプラットフォームにも進出しようとしているが、同様の枠組みの中での事業と判断される。