Faber Company[ファベル カンパニー]
2024年7月 東証スタンダード市場 IPO
会社URL:https://www.fabercompany.co.jp/
成長力 C : 市場拡大とともに成長していく!
- SEO会社としては老舗のファベルカンパニーが上場する。
- 大企業だけでなく中小企業や公共団体も、デジタルマーケティングの必要性を強く感じている。デジタルマーケティング関連のビジネスは、どこも成長が見込まれるね。
- その成長企業の中でもファベル社は業歴が長いので、ビジネスに安定感がある。
- マーケティングコンサルには人材の確保と育成が必要だから、急成長は難しいかもしれない。市場拡大とともに、だんだんと成長していく企業だと思うよ。
アルが評価する成長可能性
会社の概況
【有価証券届出書による事業内容】
(前略)当社グループは、当社及び連結子会社1社(Faber Vietnam Co.,Ltd.)で構成され、「辺境の知から“マーケティングゼロ”(注1)を実現する」というパーパス(当社グループの存在意義)のもと、デジタルマーケティングを通じた企業の目標達成、事業成長、ビジネス変革の支援を目的として、「ミエルカSEO」等、デジタルマーケ
ティングの生産性を向上させる自動化ツール群、及びデジタルマーケティングに関する多様で複雑な課題を解決するリソース群(人材・教育・コンサルティング)の提供を行っております。消費者の情報探索プラットフォーム(注2)の多様化に伴い、企業は各プラットフォームの特性に合わせたデジタルマーケティングの施策展開が必要となっております。当社グループはこの変化をビジネス機会と捉え、自動化ツール群及びリソース群の提供を通じ、解決可能な課題の幅と深度を拡充していくことを可能にするサービスを創出してまいります。
当社グループの報告セグメントは「ミエルカ事業」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、セグメントごとの記載を省略しております。
当社グループは、豊富なサービスラインナップにより企業のデジタルマーケティング活動のワンストップソリューション(注3)を目指し、デジタルマーケティングの生産性を向上させる自動化ツールとして、企業のWebサイトへの流入最大化を支援する「ミエルカSEO」、UI/UX改善によるコンバージョンの最大化を支援する「ミエルカヒートマップ」、Googleマップ等を用いた店舗集客を最大化する「ローカルミエルカ」、即戦力となるフリーランス又は副業のデジタルマーケティング人材を企業に提供する「ミエルカコネクト」、特に高い専門性が求められる課題に対する支援を行うソリューションサービス等を提供しております。
デジタルマーケティングに取り組む企業の目的は、取り組みを通じた企業目標の達成、事業成長、ビジネス変革にあると考えております。デジタルマーケティングを取り巻く環境変化のスピードは速く、対応する当社グループのサービスも変化に応じたアップデートを行っていく必要があること、また、企業のデジタルマーケティング活動の施策内容にも時代の変化に応じたトレンドが存在することから、ビジネスモデル(収益構造)の異なるサービスであっても、企業の当社サービスの利用目的は同一であることから、報告セグメントは「ミエルカ事業」としております。(注1)“マーケティングゼロ”には、売り手と買い手の境界線をなくすという意味を込めています。(以下略)
【財務状況】
引用:株式会社Faber Company(E39778) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100TWEB.pdf
決算期 | 2022/9 | 2023/9 | 2024/3 (6ヶ月) |
売上高 | 1,996 | 2,184 | 1,155 |
経常利益 | 311 | 310 | 189 |
純資産 | 1,380 | 1,594 | 1,711 |
総資産 | 1,795 | 2,078 | 2,160 |
従業員数 | 84 | 91 | 94 |
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 SEO会社として業歴、実力、知名度あり
評価+2点
- SEO会社とは「検索エンジン最適化」を意味し、 Googleをはじめとした検索エンジンのランキングで、サイトやコンテンツを上位表示にしてくれるコンサル会社のこと。最近のSEO会社は、SNS、コンテンツ戦略、広告、動画連動などを総合したデジタルマーケティングへのコンサル能力が必要とされている。
- ファベル社はSEO会社として18年間の業歴があり、業界では十指に入る有名企業で、知名度も実力も十分にある。特徴的で親しみやすい「ミエルカ」SEO対策ツールを導入する顧客に課題解決提案を行い、他のマーケティングツールやコンサルティング、専門人材紹介へと取引を拡大させている。ビジネスモデルに安定感がある。
2 デジタルマーケティング市場の拡大
評価+1点
- デジタルマーケティングの市場規模は拡大基調である。企業のデジタルシフトが進み、従来デジタルマーケティングに対して積極的に投資を実施してきた大企業に加えて、中小企業や地方企業によるツールの導入も進んでいる。
- ファベル社は、デジタルマーケティング自動化ツールについて豊富なサービスラインナップを有しており、業種を問わず幅広いサービスの提案ができるという強みがある。市場成長率は足元で年率2割程度と推察され、ファベル社は、他の大手SEO会社も同様ではあるが、市場拡大ペースに合わせた成長が期待できる。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 コアコンピタンスはコンサルなので急成長は難しい
評価▲1点
- SEO会社のコアコンピタンスは、SEOツールとデジタルマーケティングに対するコンサルティングで、大手SEO会社は大口のコンサルティングが主力業務となってくる。顧客と一緒に作りこむという伴走型のコンサルティングは、人材育成や投入人員数における限界があり、急成長は難しい
- ファベル社も、即戦力マーケターを紹介する業務委託マッチングサービスなどて人材不足を手当てして、顧客ニーズを解決し収益に結びつけているが、急成長に見合う自社コンサル人材の確保育成という課題を解決していくには、時間を要すると判断される。