アル
(最終評価日:2024年7月26日)
2024年7月 東証グロース市場 IPO
会社URL:https://liberaware.co.jp/
とりあえず総評成長力 E : 差別化で選んだ市場はニッチで未成熟!
納得点数 | 懸念点数 | 成長可能性 総合評価 |
+3点 | ▲4点 | ▲1点 (ランクE) |
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
- 屋内狭小空間の点検に特化したドローンの会社が上場する。
- 差別化が図られ過ぎていて、市場もニッチになっている。成長できるかな。
- ドローンはウクライナ戦争で兵器として進化した。ドローン自体は国策テーマとしての「防衛」や「物流改革」に絡むので、国の政策支援で大きく化ける可能性はあるよ。
- IPO時点では、ドローンの性能は良いが、室内狭小空間点検の市場が未成熟で、当面は急成長や黒字化が赤字が難しそうだね。成長性の観点からすると、評価は低くなってしまう。
アルが評価する成長可能性
アルの視点からはどんな会社なの?
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 準国策テーマのビジネス
評価+2点
- 国策、すなわち国が打ち出す政策をテーマとして事業を行う企業は、投資会社からすると有力な投資候補となる。国策テーマは「防衛」「宇宙」「AI」などが有名だが、政府は2020年に安全保障上の問題から「ドローン」を国内メーカー製への切り替えており、ドローンも防衛関連テーマとみなせる。ウクライナ戦争でドローン戦術が急速に進化し、注目度は高い。
- 防衛関連ではない当社にも、国家プロジェクトによる多額の研究開発費補助金が支出される予定で、きっかけがあれば化けるかもしれない。
2 差別化されたドローンとシステムは大手に採用され始めている
評価+1点
- 自社開発した屋内専用の産業用小型ドローン「IBIS」および関連システムを軸に、「ドローン及びシステムの販売、レンタル」と、「調査・点検・測量等を目的としたドローン撮影画像の提供」を行っている。サービスの中核を構成するドローンは20cm四方程度の大きさの屋内型小型ドローンで、防塵性耐熱性を有し、これまで困難とされていた「狭く・暗く・危険な」設備の点検業務や有毒性のガスが含まれているような空間においての調査点検を行うことを可能にしている。手のひらサイズで1台が1,000万円近いというから、相当な高性能品であり、競合は少ないだろう。
- 当社は合弁会社を通じて、JR東日本グループへの販路を固めている。日本製鉄グループと東京電力グループほか大手企業数社への販売も始まっており、これらの受注はいったん始まると底堅い継続売上になると思われる。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 具体的な成長戦略がない
評価▲2点
- 世界のドローン市場は、輸送、測量、戦争、農業などぼ分野で拡大していくのだろう。しかし、当社の高性能ドローンは対象市場がニッチ過ぎるため、年間数十台しか販売できておらず、この市場で高成長が実現できるとは思えない。
- 原発廃炉調査や鉄道点検関連の現場では必要なドローンだろうが、高性能高価格すぎて、現時点では広い用途も思い浮かばない。当社IR資料の成長戦略ページにも、他のIPO企業のような具体的な戦略は記載されていない。
2 黒字化の目処が立っていない
評価▲2点
- 創業以来営業赤字を継続して計上しており、黒字化方法は「市場の拡大と共に、各サービスにおける案件の積上げによる売上高の伸長によって、粗利率の改善」と曖昧な方向性を出すのみである。
- 当面は多額の補助金による開発費売上も収入の柱になる見通しで、成長性どころか高収益企業になる絵が想像できない。
【有価証券届出書による事業内容】
当社は、「見えないリスクを可視化する」というビジョンのもと、ドローン・ロボット等(以下「ドローン等」 という。)により撮影したインフラ施設・設備等の映像情報を基に、顧客の安全性・生産性向上に資するデータへ加工して提供するソリューションを展開しております。上に構築・提供する「デジタルツイン事業」、そして、両事業を支える事業として、当社の技術力やノウハウをベースにした新しいソリューションを開発する「ソ リューション開発事業」を合わせた3つの事業を展開しております。
【財務内容】 単位:百万円
決算期 | 2022/7 | 2023/7 | 2024/4 (9ヶ月)
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売上高 | 260 | 380 | 610 |
経常利益 | ▲456 | ▲636 | ▲261 |
純資産 | 304 | 563 | 552 |
総資産 | 640 | 1,074 | 1,003 |
従業員数 | 44 | 43 | 52 |
ABOUT ME
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています
職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか