2024年6月

ロゴスホールディングス

アル

2024年6月 東証グロース市場 IPO

会社URL:https://logos-holdings.jp/

とりあえず総評

成長力D : 売上高数倍程度には成長する

納得点数懸念点数成長可能性
総合評価
+3点▲2点1点 
(ランクD)
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
  • 北海道No1シェアのハウスメーカーが上場する。ローコスト住宅だけど、性能やデザインと価格のバランスが取れていて、人気がある。
  • 目指せタマホームかな。
サピくん
サピくん
  • 家を建てる人の好みは様々なので、ハウスメーカー各社にはシェア限界があるんだ。当社は市場認知されていてシェアが低い。エリア拡大と工務店M&A戦略により、売上高は数倍までは順調に拡大していくと思う。当社売上高は、タマホームの8分の1だしね。
  • 投資会社ファンドが大半の株式を保有している。ファンドは、資金回収が進むまでテコ入れを必死に行うので、当面は当社成長が続くと思うよ。
アル
アル

アルが評価する成長可能性

どんな会社だと公表されているの?

会社の概況

【有価証券届出書による事業内容】

(前略)当社は、持株会社として当社グループの経営管理、それに関連する業務及びシェアードサービスの考え方に基づき管理部門・マーケティング等の業務を行っております。株式会社ロゴスホーム及び豊栄建設株式会社は、主に注文住宅、分譲住宅、宅地販売に関する業務を行っております。(中略)

株式会社ロゴスホームは、北海道帯広市に本社を構えており、注文住宅を主軸に、分譲住宅と宅地販売等の事業を北 海道・東北地方を中心に展開しております。北海道・東北地方を中心に出店している「ロゴスホーム」と北海道に 出店している「ハウジングカフェ」の2業態を展開しており、主に「ロゴスホーム」では北海道にて注文住宅の 『 FORTAGE』、『 ECOXIA』、東北地域にて企画住宅の『 GUUUS』、「ハウジングカフェ」では企画住宅の 『Hikaria』、『e-Hikaria』を販売しております。 (中略)豊栄建設株式会社は、北海道札幌市に本社を構えており、注文住宅を主軸に、分譲住宅と宅地販売等の事業を北 海道に展開して、「豊栄建設」にて主に『チャレンジ999』を販売しております。(中略)

また、当社グループの主要な事業である住宅販売は、主に株式会社ロゴスホーム及び豊栄建設株式会社が担っております。当社グループは2023年の札幌市の住宅建築確認申請数No.1(注)です。(以下略)

【財務状況】

引用:株式会社ロゴスホールディングス(E39671) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100THRK.pdf
決算期2022/52023/52024/5
売上高24,85028,02531,714
経常利益1,189▲1401,358
純資産3,2713,1913,092
総資産14,51214,69313,390
従業員数457473493
(単位:百万円)
アルの視点からはどんな会社なの?

成長性を評価してみた

成長性への納得(プラス点数)

1 当社ローコスト住宅は市場から認知されている

  評価+2点

  • 北海道No1シェアのハウスメーカーが東北以南に進出して業績を伸ばし、IPOに結びついた。ローコスト住宅がメインで、設計デザイン、営業スキーム、住宅品質、施工実績は評判が良い。
  • ローコスト住宅分野の先駆者であり成功企業は売上高2,400億円規模のタマホームで、現在も安定成長を続けている。ハウスメーカーは、事業が軌道に乗り市場認知されれば、安定的な受注が確保できる。当社も売上高300億円規模の事業基盤があるので、更なる成長が期待できる。

2 営業地域拡大を販売増加に直結できる体制あり

  評価+1点

  • 地方優良工務店が拡大した、エリアで強いハウスメーカーは全国に多数存在する。ただ、営業エリアを広域に拡大するには多大な経営資源と熱意が必要で、なかなかできることではない。
  • 広大な北海道に本社がある当社ならではのテーマ「移動時間を0(ゼロ)にする家づくり」の営業手法と、住宅建材を箱型モジュールにして、現場基礎の上にクレーンで設置する工法により、広域エリアへの営業展開を可能とした。北海道から東北へ、そして関東圏へとM&Aを絡めて進出する成長戦略があり、成功確度も高い。

成長性への懸念(マイナス点数)

1 ハウスメーカー特有の成長限界がある

  評価▲1点

  • ハウスメーカーに覇者は現れない。不思議なことに、注文住宅の着工棟数は大手でも10,000棟台前後で頭打ちになる。住宅に対する顧客の需要は様々なようで、セキスイハウスもダイワハウスもタマホームも群雄割拠で、注文住宅棟数は然程伸びず、住宅関連売上を伸ばしているだけと見える。
  • ロゴスホームの国内シェアは1%にも満たないから、2−3倍には成長できるかもしれないけど、時間をかけて成功しても成長上限は大手トップのハウスメーカーレベルと判断される。当社現在業績比8倍程度であるタマホームの業績時価総額が、中長期的な成長上限と判断される。

2 ファンドが全力で主導している今が旬

  評価▲1点

  • 投資会社エンデバー・ユナイテッドが当社IPO向けのファンドを用意して上手に主導したため、当面はエンデバーのファンドの投資回収出口の状況が続く。上場直前で比率8割超の株式を持つファンドが売り抜けるには時間がかかるけど、ファンドが売り抜けて当社経営から手を引いた後が心配である。
  • 当社財務のB/S、P/Lを見ると、コテコテの建設業である。ハウスメーカーは各社特色があるけど、強い差別化商品や優れたデザイン性は確立できない業界で、それは当社も同じ。当社は、IPOへの強いインセンティブがなくなると、単なる中堅優良建設業にとどまってしまう可能性もある。

ABOUT ME
アル
アル
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています

職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか
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