PostPrime[ポストプライム]
2024年6月 東証グロース市場 IPO
会社URL:https://corp.postprime.com/
成長力 B : 一定規模までは急成長!
- 投資系ユーチューバーの高橋ダンが企画した事業で、「PostPrime」サイトの運営をしているよ。
- 「PostPrime」の月額料金は高額みたいだ。料金設定と短期間で会員数20万人超えの勢いを勘案すると、イーロン・マスクの「X」を超えるほどの、SNS運営側の課金成功事例と思えてくる!
- 個人投資家の成功事例をメディアで学習した大衆は、自身も投資で豊かになりたいと望んでいる。高橋ダンはそんな大衆の心理を熟知しているね。
- 当社はユーチューバーのプライベート事業の感が強いが、ユーチューバーの影響力や力量は本当に凄いと実感する。足元売上高の倍くらいまでは、急成長できると期待できるよ。
アルが評価する成長性
会社の概況
【有価証券届出書による事業内容】
(前略)当社が運営するSNS「PostPrime」では、ユーザーは無料で会員登録することができます。 会員登録したユーザーは、文章、画像、音声、動画、ライブ配信などの様々な情報発信の方法を選択して、無料で 投稿することができるとともに、他のユーザー等の投稿を視聴・閲覧することができます。
「プライム登録」は、他のユーザー等の投稿を有料で視聴・閲覧するために登録するサービスとなっており、登録するには、一定の視聴・閲覧期間に対応する料金を支払う必要があります。 また、ユーザーは「メンバーシップ」という有料で特典が付与されるサービスに申し込むことによって、「プライ ム登録」の支払にあたり、メンバーシップのグレードに応じた割引が受けられる他、ユーザーによる株式指数等に関 する予想の投票を集計した結果について、グレードに応じて、より有利な情報を閲覧できるようになります。 これらの他にも、ユーザー間での情報連携などの交流を促進する機能として、ユーザーからユーザーへのコメント機能やライブチャット機能等、無料で使用できる機能があるなど、様々な無料または有料の機能があります。
さらに、SNS「PostPrime」のユーザーは、一定の要件をクリアし、後述する「プライムクリエイター」になること によって、自らの投稿の一部を有料投稿として設定することができ、自らの情報発信によって収益を獲得することが可能になります。 「プライムクリエイター」になるためには、ユーザーとして活動中に、他ユーザーからの閲覧数、いいね数、コメ ント数等の評価だけではなく、ユーザー本人による投稿数や他のユーザーに対するいいね数、コメント数等の行動まで含めたデータを評価する「バッジシステム」によって、一定のレベルに達することが必要とされています。その 後、「プライムクリエイター」になるための申請を行い、過去の投稿に対するチェックなどを含めた当社の審査を通 過することにより、「プライムクリエイター」として承認され、自身の投稿を収益化できるようになります。(以下略)
【財務状況】
引用:PostPrime株式会社(E39708) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100TGHF.pdf
決算期 | 2022/5 | 2023/5 | 2024/5 |
売上高 | 644 | 787 | 945 |
経常利益 | 420 | 261 | 383 |
純資産 | 420 | 606 | 868 |
総資産 | 530 | 918 | 1,280 |
従業員数 | 9 | 15 |
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 個人投資家×SNS×YouTubeの相乗効果
評価+4点
- 投資系ユーチューバーというカテゴリーでは人気のある高橋ダンの企画した事業で、「PostPrime」サイトの運営をしている。このサイトでは、既に盛り上がっている「個人投資家×SNS」に高橋ダンの知名度を活かした「YouTube」を、そして自身が得意な「チャート分析」を乗せて、見事に成功している。
- 主力事業である一つ一つ要素は珍しくもないし、ユーチューバー知名度以外には差別化も感じられないが、自身の強みと個人投資家になりたい初心者中級者の心理をよく理解しており、時流に乗って売上高9億円まで成長した。経営者というよりは、投資系ユーチューバーとして圧倒的な力量が認められる。
- 高橋ダンのYouTubeサイト登録者数が50万人台で頭打ちのところから判断すると、現在「PostPrime」会員数20万人の倍くらいのところが次の成長試練と思われる。どんどん出てくる新規事業分野に期待したい。
2 高額料金の個人投資サロンを実現、長持ちしそう
評価+2点
- 「PostPrime」の月額料金は値上げを繰り返し、現在元は、安いプランで1,000円前後、フル機能で6,000円前後と高額になっている。個人投資家が情報交換する掲示板等サイトに限らず、SNSサイト月額利用料としては極めて高額である。料金設定と短期間で会員数20万人超えの勢いを勘案すると、SNS分野としては、イーロン・マスクの「X」を遥かに超えた運営側高収益事業が実現されている。
- これは高橋ダンが、個人投資家の初心者中級者の心理を熟知しているためと考えられる。現在は「PostPrime」サイト単一事業であり、今後どうなっていくかわからないが、運営高橋ダンの力量で長期に事業存続すると思われる。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 株価高騰の宴が終わった後の不安
評価▲1点
- 当社成長の機会として、日米の株価高騰と、各種政策により個人の投資への意識が高まったことがある。企業が事業に集中して株式投資から手を引く一方で、個人投資家の成功事例をメディアで学習した大衆は、自身も投資で豊かになりたいと望んでいる。
- 株式市場は浮沈あり、現在の好況はほんの数年前からのものである。大衆心理は変化しやすく、株式市場が長期低迷局面に入れば、「PostPrime」のようなSNSサイトに高額料金を支払い続ける個人投資家は減っていくだろう。
2 公的な器たる上場企業としての厚みがない
評価▲1点
- 市場関係者なら皆が感じると思うのだが、当社は公的企業なのか、ユーチューバーのプライベート事業なのか。
- 公的な器となる上場企業とは、経緯や時間の淘汰を経て複雑化し強靭となり、経済や社会の基盤となると考えられている。どうも当社はそれに当てはまりにくいところが多いので、成長過程で落とし穴や、一定の成長で限界が来るのかもしれない。