2024年6月

ライスカレー

アル

2024年6月 東証グロース市場 IPO

会社URL:https://ricecurry.co.jp/

とりあえず総評

成長力 D : だんだん成長する!

納得点数懸念点数成長性
総合評価
+4点▲3点 
(ランクD)
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
  • 時流を反映したビジネスだね。皆がSNSをやってるけど、そのアカウントを本格的に成長させるためにはSNS分析ツールが必要で、そのツールを無償提供しているよ。この分野は強い競合がひしめいているみたいだ。
  • 当社の主な収益源は、BtoC企業へのSNSマーケティング支援事業で、顧客各社はネット上で広告や募集を行う際に当社の機能を活用して戦略を立てている。当社は無料ツールや独自で集めたデータを、上手にマーケティング支援に活用し、大企業向けを中心に収益化できているみたいだ。

サピくん
サピくん
  • SNSアカウント分析もSNSマーケティング支援も、更に需要が高まると期待される分野だ。大企業向けの大口契約が増えてくれば売上利益ともに倍々になっていく可能性がある。
  • IPOまでの事業売却や事業再編で、成長投資への財務体力が弱いことや、事業の枠組みが十分固まらないなどの面はあるけれど、非常にベンチャーらしいベンチャーであり今後の成長に期待したいね。

アル
アル

アルが評価する成長性

どんな会社だと公表されているの?

会社の概況

【有価証券届出書による事業内容】

(前略)当社グループはコミュニティデータプラットフォーム事業のみの単一セグメントであり、自社開発をしたコミュ ニティデータマネジメントツール群であるデータクラウドを基盤として、企業向けにサービスを提供するエンター プライズ領域と、一般消費者向けにブランドやサービスを提供するコンシューマ領域を展開しております。 はじめに、事業基盤としてデータクラウド『CCXcloud』シリーズによって蓄積・分析された、SNSをはじめとする コミュニティに関連する資産、すなわちデータアセット(コミュニティデータ)が当社グループの事業の特徴とし て挙げられます。 『CCXcloud』にはSNSをはじめとしたコミュニティから取得できるマーケティングデータやユーザーのインサイ ト ※1、そしてEC等の購買データなど多様なコミュニティデータの蓄積・分析が可能となっており、当社グループが 主にインターネット上で自社運営しているコミュニティ(自社コミュニティ)及び当社グループが支援する顧客の コミュニティには全て『CCXcloud』を導入しております。(以下略)

【財務状況】

引用:株式会社ライスカレー(E39662) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100TG7Y.pdf
決算期2022/32023/32024/3
売上高9911,8342,375
経常利益▲84▲16790
純資産297642752
総資産5831,2551,795
従業員数639082
(単位:百万円)
アルの視点からはどんな会社なの?

成長性を評価してみた

成長性への納得(プラス点数)

1 主力事業に競争力あり

  評価+2点

  • 当社の運用するCCXシリーズは、各種SNSサービスとAPI連携している。当社顧客は、CCXシリーズの機能を使うことにより、SNSのアカウント分析や検索動向、クチコミ評価などの分析が行える。顧客がSNS無料分析のためにアカウント連携することで、CCXシリーズのデータが増え、当社はそれをBtoC事業者向けのマーケティング支援事業に活用している。
  • 類似ビジネスの競合は非常に多いが、当社なりにインフルエンサーとの仕掛けなど差別化を図っている。IR資料を見ると、SNSマーケティング支援先は3,000社以上で、マイナビ向けには年間4億円以上の売上があるとのこと。マーケティング支援先への提案内容は、魅力的なものと推察される。

2 事業外部環境が追い風

  評価+2点

  • 当社主力事業の対象となる、国内インターネット広告市場では、広告費が年々増加し3兆超にまで増加している。
  • 当社がSNSマーケティング支援で事業収益を稼ぐようなBtoC事業者の多くは、ソーシャルメディアにおける活動を模索または高度化している状況と考えられる。当社主力事業に対する需要は今後も高まっていくと見込まれる。

成長性への懸念(マイナス点数)

1 成長までの紆余曲折で財務面が弱い

  評価▲1点

  • 当社はエネルギッシュな起業家である大久保社長のもと、様々な試行錯誤を繰り返し、その過程で事業売却や企業再編を行ったため、財務面には脆弱性が残る。
  • 2024年3月期の連結純資産752百万円の大半である497百万円はのれん資産という買収合併時の評価上回り額であり、実態性が低い。更に各役員は再編前企業の金融機関債務保証を継続し、借り入れ依存度も高い。当社のようなシステム系企業がIPOする場合、純資産は厚くてFCFも潤沢である傾向にあることから、成長投資への財務的体力は同業IPO企業に劣る。

2 当面は試行錯誤が続く様子で、事業の枠組みが不安定

  評価▲2点

  • 当社ビジネスは現在も変化し続けている。ホワイトニング歯磨粉などを取り扱うネット通販部門を事業分割すると取締役会で決議し、IPOから2ヶ月経たずに事業を分割するようだ。
  • 成長優先で考えている様子だが、当面は事業の枠組みが不安定とみられるため、その成長を信じてついていく投資家は振り回される可能性がある。

ABOUT ME
アル
アル
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています

職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか
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