2024年6月

インテグループ

アル

2024年6月 東証グロース市場 IPO

会社URL:https://www.integroup.jp/

とりあえず総評

成長力 C : だんだん成長する!

納得点数懸念点数成長性
総合評価
+4点▲2点2 
(ランクC)
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
  • 老舗のM&A仲介業者が上場する。中小企業のM&A分野で、完全成功報酬や他社比低額の手数料の差別化対応を行い、M&Aを検討している企業から選ばれているみたいだね。
  • M&A仲介会社は、DMや電話等でどんどん直接提案していくスタイルが多いが、当社はその中でも安定して受託案件数を伸ばしている。何か要因があるのかな。

サピくん
サピくん
  • 中小企業後継者問題でM&Aニーズが高まり、事業外部環境は良い。そこに、業界トップクラスのM&A成約数を誇る藤井一郎氏が後進育成と組織作りを行い、今回のIPOに結びついたみたいだ。
  • 育成済みコンサルタント数に比例して売上利益も増加すると考えられるので、だんだんと成長していくことに期待するね。藤井社長は50歳と若いので、とても期待できる。

アル
アル

アルが評価する成長性

どんな会社だと公表されているの?

会社の概況

【有価証券届出書による事業内容】

(前略)当社は、「我々は、完全成功報酬制のM&A仲介会社として、質量ともに圧倒的なリーディング企業になり、優良企業の存続・発展、起業家精神の高揚、経済全体の生産性の向上に貢献する。」及び「我々は、様々な経営課題を解決することで、経営と経営者に付加価値を与え、企業や組織の経営力の向上に貢献し、社会に活力を与え、そして最も信頼される経営支援会社になる。」というビジョンの下、日本社会が抱える重要課題である中小企業の後継者不足問題をM&Aで解決するために、創業以来、中小企業を中心としたM&A仲介サービスを提供しております。(以下略)

【財務状況】

引用:インテグループ株式会社(E37627) 有価証券届出書(新規公開時)
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100TFZI.pdf
決算期2022/52023/52024/5
売上高6491,2742,198
経常利益12239984
純資産5196901,362
総資産5711,0962,121
従業員数2928
(単位:百万円)
アルの視点からはどんな会社なの?

成長性を評価してみた

成長性への納得(プラス点数)

1 明確な差別化戦略

  評価+2点

  • M&A仲介業は許認可規制や設備投資が不要なので、参入障壁が低い。企業後継者問題から中小企業のM&Aニーズが高まる中で、大小3,000社程度が案件受託に奔走している。
  • 当社は「小型案件セグメントで唯一の直接提案中心の営業スタイル」をとり、「上場企業で唯一の売り手・買い手ともに完全成功報酬制で、他社比低額の手数料」を打ち出し明確な差別化を図っている。メイン顧客が中小企業のため、合理的な戦略だ。

2 組織および社長の力量

  評価+2点

  • この業種は参入障壁が低いが、コンサルタントの高い案件組成力が必要とされるため、参入してもなかなか案件受託ができない。その点、当社は2007年から中堅・中小企業向けのM&Aを仲介している老舗企業で、実績が豊富。組織基盤があり人材育成も行われているようで、成長していく企業と判断される。
  • 藤井一郎社長は輝かしい経歴を持つ。まだ50歳と若いが、業界トップクラスのM&A成約数を誇るプレーヤーと言われている。近年では自分で案件組成するをやめて後進の育成や組織作りを行っているといい、その結果が当社のIPOだと考えられる。

成長性への懸念(マイナス点数)

1 当社強みのDMや電話が業界で加熱しすぎている

  評価▲1点

  • 当社は直接提案型の営業のため、M&A案件をネット広告、DM、電話等で探している。当社に限らず、紹介ルートに頼れない中小M&A会社は、リストで顧客企業にどんどん電話し、社長様宛としてDM(貴社を買いたい企業があります)をどんどん送り、中小企業のオーナー社長達の中には辟易している人も多い。
  • 一般消費者と違い中小企業オーナーは思慮深いから、現在は大きな問題になっていないが、将来的にはDMや電話の営業手法の自粛など、当社強みの顧客接点手段が効かなくなっていく可能性がある。

2 成長はコンサルタント数に比例する

  評価▲1点

  • 誰でもすぐにできる仕事ではないので、人材育成が必要である。人員数が案件をこなせる数に直結するので、当社の成長は育成済みのコンサルタント数に比例すると考えられる。
  • 当社のコンサルタント数は30名程度だが、すぐ倍々にできるというものではない。成長スピードに上限のある業種と考えられる。

ABOUT ME
アル
アル
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています

職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか
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