アル
(最終評価日:2024年6月1日)
2024年6月 東証グロース市場 IPO
会社URL:https://astroscale.com/ja/
とりあえず総評成長力 D : 素晴らしいが課題多い!
納得点数 | 懸念点数 | 成長性 総合評価 |
+4点 | ▲4点 | 0点 (ランクD) |
※足元株価は考慮せず、総合評価はA~Eだよ!
- 廃棄衛星など宇宙ゴミ問題を解決しようと、岡田社長が2013年に創業した宇宙ベンチャーだよ。2023年4月のispace、2023年12月のQPS研究所と、宇宙ベンチャーのIPOが出てきており、成長期待分野だね。
- 夢のような事業だけど事業内容はしっかりしており、上場前段階で機関投資家から445億円の出資を受けている。成長するかしないかというより、ワクワクする事業だ。
- 市場がないところに社会課題解決で市場をつくるという理念を、宇宙ビジネスで行うのはすごい。当社は世界的に注目されていて、成功すれば日本の教科書に載るかもしれない。
- 「このサービスにどこがカネを払うか」「事業化にはまだまだ時間とカネが必要」など課題が多い企業だけど、アルも事業実現にはワクワクしてるよ。
アルが評価する成長性
アルの視点からはどんな会社なの?
成長性を評価してみた
成長性への納得(プラス点数)
1 宇宙ビジネス人気で実現可能性が高まる
評価+2点
- 宇宙ビジネスでは、イーロン・マスクやジェフ・ベソスといったIT億万長者が民間企業参入への道筋をつけたことで、世界的に宇宙ベンチャーが増え、投資家の注目度も高い。
- 宇宙ビジネスは崇高壮大な課題解決事業で、黒字化まで膨大なカネが必要だが、投資家の審査を通過し資金投入が続く限り前進できる。アメリカ発にてバブルのような宇宙ベンチャー投資熱が出てきており、事業化への成功確率は高まっている。
2 軌道上サービス事業は夢でなく、事業としてホンモノ
評価+2点
- アストロスケールは軌道上サービス事業の専業とIRしているが、事業内容自体は現実的で、将来方向性にも問題ない。さすが主幹事の三菱UFJモルガン・スタンレー証券や国内主要VCの審査を通過しただけのことはある。アルの素人目からだが、IR資料を読む限りは夢の事業ではなく、技術や戦略において投資に値するレベルと判断される。
- 衛星事業を行う各国機関への、プロジェクト受託売上が立ち始めており、2025年4月期の予想売上高は180億円となっている。岡田社長の目指す宇宙ゴミ問題解決事業までは遠いが、損益均衡点には数年で至る可能性が高い。
成長性への懸念(マイナス点数)
1 「早すぎて普及しない」カテゴリーかもしれない
評価▲3点
- 宇宙ゴミの撤去をおこなう事業に誰がカネを出すのかという課題は、アストロスケール創業から議論されている課題であり、現在でも具体的に解決されていない。岡田社長の予見通り、宇宙ゴミの除去事業はいずれ必要となるだろうが、現在時点では時期尚早すぎて民間企業には適さないかもしれない。
- 最近の日本の宇宙ベンチャーIPOの事業を見ると、ispaceは月面調査や月面資源獲得で市場がある。QPS研究所も地球観測衛星データ事業として市場がある。アストロスケールのビジネスモデルは、ハーバード・ビジネス・スクールの教材に2回選出されたほど突出したものだが、宇宙ビジネスかつ既存市場なしとなると、事業化には相当な困難が予想される。
2 必要資金の調達が継続できない可能性
評価▲1点
- 今回のIPOは、事業化まで更に長期間を要することから開発費が嵩む見通しで、一部の投資家だけではリスクを取り切れなくなったことが背景にあるとも考えられる。
- 前述1の宇宙ベンチャー2社の足元時価総額を見ると、ispaceが660億円、QPS研究所が860億円。アストロスケールは2023年までに投資家から累計445億円の投資を受けており、上場時の時価総額は1,000億円前後。軌道上サービス事業の実現時の収益性から時価総額を算定すると、増資頼みの資金繰りは、いずれ限界がくると判断される。
【有価証券届出書による事業内容】
当社グループは、宇宙空間における軌道上サービスを通じて、人工衛星運用者やロケット事業者の事業価値の向上及び宇宙の持続的な利用に貢献してまいります。
【財務内容】 単位:百万円
決算期 | 2022/4 | 2023/4 | 2024/4 |
売上高 | 910 | 1,792 | 4,667 |
税引前当期利益 | ▲5,563 | ▲9,314 | ▲9,219 |
純資産 | 14,091 | 14,890 | 5,401 |
総資産 | 20,125 | 30,437 | 24,990 |
従業員数 | 276 | 394 | 494 |
ABOUT ME
新規事業の構想が大好きです
IPOで株式市場に登場する企業から学びを得ています
職歴:ベンチャーキャピタル、リース会社企画部門、銀行法人融資
資格:応用情報技術者、中小企業診断士、FP1級ほか